10.高血圧

お灸教室のテーマを考えていた時に「高血圧にお灸は効くの?」との声をいくつか寄せられたので、今回のテーマにしました。
「高血圧症」と一言で言ってもお一人おひとり高血圧になる体質はじめ、お仕事や生活習慣、年齢などによっても様々な要因があります。又、器質的な範疇のものは医師の診断と治療が必須ですので、ここでは割愛します。

血圧を上げる大きな要因の一つは塩分の主成分のナトリウム摂取です。塩分を取り過ぎると、血液中のナトリウム濃度が高くなります。この時、血液の濃度を一定に保つために水分が増え、その結果、血液量も増えます。
血液量が増えれば、心臓は血液を流すために強い力が必要になり血圧が上がります。また、ナトリウムは、血管壁にも染み込み、水分を取り込んで血管壁の細胞をむくませ、血管の内腔を狭め、血圧を上昇させてしまうのです。
(参照:『高血圧予防』日本食生活協会より)

血液や血管の中の水分が増えることで、血圧の上昇に関係していることを知って頂きたいので引用しました。
では東洋医学の視点から考えると、身体の水と関係が深い臓腑は『腎』となります。腎は現代医学でも水の排泄(小便)と関係があると認識されており、東洋医学でも「水臓」と呼ばれるほど、水と関係が深い臓となります。 それ以外にも腎の持つ働きは、人が生を享け,成長し,亡くなるまでの生命力をつかさどり、また免疫力や復元力といった働きまで重要な役割をしています。
 そこで腎の力を高めることで、腎と繋がっている心(心臓や心経)の働きも正常を取り戻し、五臓を調整し血圧の安定に繋がります。
 以下は健康の大元で五臓六腑に対する治療でまず自分自身の各臓の働きを高め調整を目的とした経穴をご紹介いたします。
経穴(つぼ)を取穴する際は、「経穴(つぼ)を取るはかり方(取穴)」を参照してください。

●澤田流合谷穴
手を目いっぱい開いた時に親指側に現れるくぼみ(嗅ぎタバコ窩)の中央で動脈拍動部に取穴する。

●内関穴
前腕の前面で手首横紋中央から肘に向かい2寸の所に取穴する。

●足三里穴
膝を立てて、膝の皿の外下方(外膝眼穴)から下3寸に取穴する。

●絶骨穴(懸鐘穴)
外くるぶしの先端から上方に4寸の所に取穴する。

 

 
 

●湧泉穴
足の中指の付け根と踵(かかと)を結ぶ線上、中指の付け根から3分の1の所に取穴する。

※背中のお灸は一人で行うと、火傷などの恐れがありますので、必ずご家族やご友人に据えてもらってください。

●心兪穴
第3胸椎(肩甲棘内縁を結んだ線の中点)と第7胸椎(肩甲骨下角の高さを結んだ線の中点)を結んだ線の真ん中(神道穴)から左右外方1寸5分に取穴する。

●腎兪穴
第2腰椎(両肘を曲げた状態で結んだ線上)で左右外方1寸5分に取穴する。